いわさきちひろの絵の魅力♥をこだわり解説

こんにちは^^ アーティストの吉原凜です。

今日は私のあこがれの絵描き、
いわさきちひろについて書きたいと思います。

ちひろは、没後40年以上経ちますが、今でもたくさんの方に親しまれていていますね。

若い方からお年寄りまで、男女問わず、幅広い世代に愛されている絵描きです。

絵のテーマが自然や子供など、身近なものなので、共感することが多いことや、
描いた本人の感動が絵を通して伝わってくるからだと思っています。

ちひろは絵本作家、画家と紹介されることが多いのですが、
再婚した旦那さんと初めて会ったときに、自分のことを”絵描き”と紹介しています。

そんな、絵描き・いわさきちひろの絵の魅力に焦点を当てて、解説したいと思います。

Contents

いわさきちひろの絵のひみつ

ちひろの絵を見て、多くの方が感じるのは、一つには、あの優しい色使いではないでしょうか。

彼女が主に使っていたのは、透明水彩絵の具です。

ホルベインやウィンザー&ニュートンなどを使っていたそうです。

私もそれを知った時は、少しでもあの発色に近づきたいと、奮発して、ウィンザー&ニュートンを買いました!

でももったいなくて、少しずつしか使えていません(笑)

他にちひろが使っていたのは、パステルやポスターカラー、墨などです。

ちひろは当時、書道も習っていて、墨の濃淡の美しさを活かした絵も多く残しています。

書の先生の代稽古をするときもあるほどの腕前だったそうで、書家になるか、
画家になるか迷うこともあったそうです。

私も30代後半から10年ほど書道を習いましたが、あまり上達しませんでしたね
~(^-^;
(比べること自体がナンセンスですが笑)

他にも、ちひろは鉛筆を中心的な画材として使い、水彩絵の具を補助的に使ったりしていました。

当時の印刷技術がだんだんと良くなったことで、鉛筆の銀色のような一番きれいな色が出るのが
嬉しいと語っていたそうです。

デッサンを繰り返す中で生まれた表情豊かなちひろの鉛筆線。

鉛筆を立てたり、動かす速度や筆圧の強弱を変えて表現することで、緊張感のある線や、やわらかな線。

初期の頃は均一な筆圧で描かれた線だったものが、晩年は自由自在に迷いのない線へと変化させて描かれています。

鉛筆画の線に注目して作品を見てみると、あらたな発見や感動があるかもしれませんね。

いわさきちひろの絵の魅力

ちひろの絵の中で、目に留まるの色が、「紫」。

彼女が一番好きで、得意としていた色が紫なのです。

しかも、彼女はいくつもの絵の具メーカーの紫を持っていたそう。

さらには、水の加減などでいろんな明るさを作り、さらに赤系と青系の絵の具を掛け合わせて、バリエーションを広げていったそうです。

そうやって出来た様々な色を、にじませたり、たらし込んだりして出来た絵。

この、にじみやたらし込みという技法は、ふつうは、計算して出来るものではありません。

以前、NHKの日曜美術館を見ていた時に、ちひろの孫にあたる、絵本作家の松本春野さんがちひろの描いた絵を再現する場面がありましたが、ちひろのように計算して描くことは難しい、あの描き方はちひろしか出来ないと言われていました。

誰が見ても一目でちひろだとわかる、優しい気持ちになれる絵ですが、昔の絵を見ると、随分と雰囲気が違います。

ちひろは、裕福でモダンな考えを持った両親の元、洋画家の岡田三郎助に師事し、14歳でデッサンと油絵を始めます。

その後は不幸な結婚や満州行き、第二次世界大戦の経験をします。
でも、本当に愛する人と出会い、再婚します。

そういった様々な経験があったからこそ、たくさんの人の心に光を灯すような、浄化してくれるような絵を描くことができたのではないかと思っています。

いわさきちひろの絵の奥深さ

ちひろの絵はにじみやたらし込みという水彩の技法を使って様々な表現をしています。

花びらを一枚、一枚浮かび上がらせるように描いたり、雨に濡れた感じを表したり、霧雨を表現したり・・・それらがとてもリアルなのです。

そして、ちひろの絵は構図も大胆で、ファンタジーに繋がるような描き方をしています。

地球上で、人間より小さな生き物でも、大きく描いたり、花を描いても茎は描かずに花びらだけを拡大したり、自由自在に変化させています。

絵本作家・画家の葉祥明さんは、ちひろの”立てひざの少年”という作品を人類美術史における肖像画部門でベストテンに入るほどの傑作で、国宝に指定されてもおかしくないとまで言っています。

そして、私個人的には、子供のかわいらしさを表現させたら、ちひろの右に出る人はいないのではないかと思っています。

特に手や指の表現が見惚れてしまうのです。

口にくわえたり、指切りげんまんをしていたり、両指を絡ませたり、何かを持っていたり、手と指の表情でいろいろな心情が伝わってきます。

まとめ

いかがでしたか?

みなさんはどのようなきっかけで、いわさきちひろの絵と出会ったか覚えていますか?

私とちひろの絵の出会いは、小学校の授業でした。

しかも、この年になって、こんなにちひろの絵が好きになるとは思ってもみませんでした。

ちひろの絵は、一見、なにげなく描かれているかのように見えますが、

今回の記事で、いろいろな技法やひみつが隠れていることがお分かりいただけたかと思います。

彼女の絵は本当に奥深い絵だなと思います。

少しでも、ちひろの絵の魅力を感じていただけたら嬉しいです。

最後にあなたへ質問です。

あなたをハッピーにしてくれる画家やアーティストは誰ですか?

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